社会復帰を阻む「高い壁」
2011年に施行された全国暴排条例から約15年が経過し、暴力団は縮小傾向にありますが、足を洗った後の社会復帰は極めて困難な「茨の道」といえます。元暴力団員には、いわゆる「元暴5年ルール」が存在し、銀行口座の開設や賃貸住宅の契約が制限されるといった現実的な壁が立ちはだかります。こうした社会的な制限により、まともな就職や自営業が難しくなるケースが多く、結果としてうまく社会復帰できずに再び犯罪に手を染めたり、半グレなどの組織に再び関わるようになってしまうケースが過半を占めているのが現状です。
再出発を分ける「二つのタイプ」
社会復帰ができる人とできない人の差は、個人の資質に大きく依存しています。社会学者の廣末登氏によれば、元暴力団員には大きく二つのタイプが存在します。一方は、地頭が良くコミュニケーション能力に優れ、現役時代に蓄えを作ったことでスムーズにカタギになれるタイプです。一方で、アンガーマネジメントができず、キレ癖が抜けずに社会生活に馴染めないタイプは、職を得ても困難に直面しやすくなります。また、組織間の抗争(タタキ)によって負傷し、障害を負いながらも、犯罪収益ゆえに警察へ届け出られず泣き寝入りするという悲惨な事例も報告されています。
まとめ
暴力団が縮小する一方で、トクリュウ(匿名・流動型犯罪グループ)の台頭など、反社会的勢力は形を変えて生き延び続けています。足を洗おうとする人間が直面する、経済的な困窮や精神的な困難、そして暴力による身体的なリスクは、決して無視できない社会問題です。社会復帰に向けた「茨の道」をどのように生き抜くのか、あるいは社会がどのように向き合うべきなのか。元当事者たちの過酷なサバイバルが、その実態を浮き彫りにしています。
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