演劇評論家・渡辺保さんの訃報
演劇評論家で文化功労者の渡辺保(わたなべ・たもつ)さんが、9日に外傷性くも膜下出血のため、東京都港区の施設で死去しました。90歳でした。渡辺さんは慶應義塾大学経済学部を卒業後、東宝に入社。舞台制作に携わる傍ら、1965年に「歌舞伎に女優を」で評論家デビューを果たしました。その後、退社して評論活動に専念。歌舞伎をはじめとする演劇界において、独自の視点から鋭い論評を展開し続けてきました。その足跡は、日本の演劇文化を支える重要なものとして、広く知られることとなりました。

演劇評論家で文化功労者の渡辺保(わたなべ・たもつ)さんが、9日に外傷性くも膜下出血のため、東京都港区の施設で死去しました。90歳でした。渡辺さんは慶應義塾大学経済学部を卒業後、東宝に入社。舞台制作に携わる傍ら、1965年に「歌舞伎に女優を」で評論家デビューを果たしました。その後、退社して評論活動に専念。歌舞伎をはじめとする演劇界において、独自の視点から鋭い論評を展開し続けてきました。その足跡は、日本の演劇文化を支える重要なものとして、広く知られることとなりました。
渡辺さんは、歌舞伎批評の確立において極めて重要な役割を果たした人物です。著書には「女形の運命」や「黙阿弥の明治維新」などがあり、歌舞伎公演に対する「辛口」な批評は多くのファンに支持されました。また、テレビでの解説でも広く知られ、専門的な知見を世に広めてきました。その功績は高く評価され、2000年の紫綬褒章、2009年の旭日小綬章、2017年には日本芸術院会員、そして2024年には文化功労者に選出されるなど、日本の文化界を代表する評論家として、その地位を確固たるものにしていました。
渡辺さんは評論家としての活動に加え、山口県長門市の劇場「ルネッサながと」の芸術監督も務めるなど、文化振興にも尽力してきました。伝統芸能である歌舞伎の在り方を常に問い直し、批評を通じてその本質を探求し続けた渡辺さんの存在は、演劇界にとって非常に大きなものでした。歌舞伎と伝統がどのようにあるべきかを論じ続けたその深い洞察と足跡は、今後も多くの人々に語り継がれていくことでしょう。渡辺さんの訃報は、日本の演劇・文化界における大きな損失と言えます。